井上 訓子[青山 倫子]TV


哀切の倫子 /「水戸黄門」第41部
2010/ 6/13(改 6/14、6/18)、6/14、6/21
第11話
「夢にまで見たお母さん(大阪)」
←「新吉と別れられた大坂城」
●監 督:金 鐘守
●脚 本:岡本 さとる
●出 演:里見 浩太朗(水戸 光圀)、原田 龍二(佐々木 助三郎)、合田 雅吏(渥美 格之進)、由美 かおる(疾風のお娟)、林家三平(ちゃっかり八兵衛)、内藤 剛志(風車の弥七)、伊澤 柾樹(新吉)、大沢 樹生(虚空無幻斎)、市瀬 秀和(東条 隼斗)
●ナレーター:鈴木 史朗

< みどころ >
 一行は、新吉の母を探して大坂へ。母親らしき女性、お松は新吉は自分の子ではないと、すげなく追い返す。老公はお松の真意を探る。一方、老公は大船屋 長兵衛という大商人と出会う。長兵衛は人々に慕われており、子どもたちに読み書きを教えている好人物だ。長兵衛を演じるのは松方 弘樹。懐の広い長兵衛を熱演。

< あらすじ >
 水戸老公(里見 浩太朗)一行は、新吉(伊澤 柾樹)の母親がいるらしいと聞いた大坂に着いた。老公は気さくな大商人、大舟屋 長兵衛(松方 弘樹)と出会い、その人柄を好ましく思った。長兵衛は子どもたちに読み書きを教え、街の人々からも慕われている。新吉と八兵衛(林家 三平)は新吉の母親と同じ名のお松(青山 倫子)を廻船問屋、伊豆屋に訪ねるが、お松は新吉は自分の子ではないとすげなく追い返すのだった。お松は店の主人、彦蔵(佐川 満男)を支えて店を切り盛りし、彦蔵の娘、お千代(里田 まい)もお松を慕っていた。商いを広げている彦蔵に、薩摩藩の留守居役、池田 哲次郎(藤堂 新二)が藩の仕事を任せると声をかけた。喜ぶ彦蔵だったが、悪事の手先として働くよう脅される。一方、老公は長兵衛の紹介を得て、お松に会い、その真意を探る。お松は彦蔵には大恩があると語り、母と名乗れぬ切ない心情を明かすのだったが …
 
 
 井上 訓子[青山 倫子]さん、「水戸黄門」題41部の第11話に(6/21)にゲストで出演。めでたし。
 テレビ東京以外の時代劇への出演は初めてだと思うが、と言うか、民放地上波の時代劇枠はもうここしか残っていないのか・・・。出演はテレビ東京「逃亡者おりん」の製作をやったC.A.Lつながり? 美女コレクターのTBSとは去年の日曜劇場「本日も晴れ。異状なし」以来。撮影は 4/18 〜 4/20 辺り。
 ともかく、こういうお仕事なら応援ができます!

 井上さんは、こういうテイストの落ち着いた作りのドラマは多分 好い演技になる。今回は知った環境だろうし、クダラナイ シーンのことで意識し過ぎることもないだろう。そこはかとない彼女の好さが滲むかも知れない。
 喜怒哀楽の「哀切」をやったら、彼女は光る。素直な、安定した演技になって、訴える。昔、「HERSTORIES」というお芝居で、失恋の日記を一人語りして泣き崩れるシーンなんか、犯しがたいほど素晴らしかったのだから。舞台なんてものを観て感情が動いたのは、後にも先にもあの時だけだ。
 ご本人は知ってか知らずか、そういう彼女ゆえの力があるのだし、優しい和の風情が出せる人だし、そっちを磨き上げれば、間違いなく人の心に残るような女優さんになると思うが。今、哀切を演じられる女優自体がいないだろう。

 で、今回は、お松という役で、「水戸黄門」の公式サイトには「注目娘」というのがあって期待していたら、この回は里田 まい だった。第9話には「サラリーマン金太郎」で一緒だった井上 和香 嬢が出ているが、このページは三十路以下限定なのカ? 里田は今 超の付く売れっ子だろうに、時代劇にまで進出。
 製作がC.A.L・・・また過激な入浴シーンなどありませんように。安心して観たい(笑)。


 さて、易。4月期、井上さんが連続ドラマのレギュラーとして出演するか如何の占はこちら。今回もこの 36【地火明夷】四爻の辞がドラマのストーリーと重なるか、見てみよう。
 占題からすれば、7月期も連続ドラマに出演となるということになる。「出演!」というには何か弱いが。占はこちら
 今年のお仕事の動勢[年筮]は之卦 54【雷澤歸妹】::|:||(← 左を上にして見る。以下 同じ)になっており、今年の後半はテレビ ドラマへの出演もゲスト中心とか単発ものが中心になるでしょう、と。

 ところで、井上さんはモデル業に軸足を移せば、再び成功に向かうと示されている。以前のように各業界のナショナル ブランドを総なめするとは思わないが、50【火風鼎】|:|||:五爻、49【澤火革】:|||:|四爻、35【火地晉】|:|:::五爻・・・これが女優の前途を質して示されたものなら、万々歳だ(解説はまたの機会に)。
 実績のある得意分野を遊ばせておく必要はないし、モデル業は労働時間的に経済的であり、小回りが利く。べつに女優の道も捨てることはないし、時々で割の好い方にハンドリングしていけば好い話だが、今の事務所さんは女優業とモデル業が別会社になっていて、縦割りが強いのかも知れない。


 それにしても、「水戸黄門」で同じくゲストで出る大ベテランの松方 弘樹 氏、時代劇があろうものなら必ずのように役を取っている上に、地方振興目的のマイナーな映画にも顔を出したり、実に細々と仕事をこなしている。
 電通さんがもう15年以上も前に「新聞の求人広告までやるようになったか」と言われたものだが、大手ほど意識改革の波が早いのだ。その上、着実に行動に移す。中小はこのことを肝に銘ずるべきで、進取なくして維持発展はない。



 あら、井上さん、また母親の役だった。
 長い旅路、幼い我が子の再会、どこかにあったような・・・。

 井上さんを占材にして、前に雑占をやっていた。年明けのテレビ東京系「柳生武芸帳」の放映の少し後、その内また時代劇に出るんかな、と。占断を読み返したらと、これがよく読みを得ている。


占 題
 青山 倫子 サン、今後 時代劇での活躍如何

三 遍 筮
本 卦
41 山澤損
  伏卦  4 山水蒙
互卦 24 地雷復
錯卦 31 澤山咸
綜卦 42 風雷益
 初九、事を已(ヤ)めて遄(スミヤ)かに往く。咎 无し。酌(ク)みて之を損(ヘラ)す。
 象に曰く、事を已めて遄かに往くとは、尚(カミ)、志を合はする也
 
 爻辞「事を已めて遄(スミヤ)かに往く」、当然、近く時代劇の仕事あり。
 自分として持っているものを提供して、陰陽 相応ずる四爻の求めに資する。外卦【艮】の“一門、自分の一部、身内”に対して。だから、符号の【大離】の似卦は“企画”であり“付着”だろう。今、その仕事が「水戸黄門」だと分かってしまえば、それはまた“華やかな太秦の撮影所”のことにもなる。
 互卦【地雷復】は復帰。そこに「戻って来たよ」と。だから、筑波の撮影所などでの仕事ではない。
 錯卦【澤山咸】で、「水戸黄門」への出演には彼女なりに心咸じるところがあるのだろう。
 爻辞に「咎 无し」とあり、仕事は大過なく終える。
 ただ、この卦の初爻というのは、連ドラのレギュラーがいいとか、十分条件を満たせる状況にはない。この不況等を「酌」んで動くことになる。
 それから、仁田 丸久 氏もお書きになっているが、この爻というのは自分の程々のところを相手に提供する感じ。だから、その内また時代劇のお仕事ありとしても、連ドラのレギュラーとか単発の主役ではなさそうだな、と思った。

 「逃亡者おりん スペシャル」の撮影後、彼女は再び時代劇に戻るか、と質して【山澤損】の四爻を得たことがあった(こちら)。結果は、撮影時点で見れば、1年後に「柳生武芸帳」で復帰、と。四爻だと、陰爻陰位の正で戻るにしても、裏が互いに背く意の 38番【火澤暌】|:|:|| だし、やっぱり間が空くもの。

 さて、占題に戻る。今後、彼女の時代劇での活躍はというと、自分を損ずの卦であり、彖辞は「〜貞にす可し。往く攸 有るに利し」だから、これからも同様に機会に恵まれるだろう。相互の関係は互卦【地雷復】で、繰り返すの意。尤も、番組自体が少なくなったが。
 また、当初の「逃亡者おりん」の放映中に彼女の時代劇の世界での成功如何について一筮して 50【火風鼎】|:|||:四爻を得て(こちら)。アカンと思ったが、これは主として「逃亡者おりん」の成否を言ったもの。

 それと、【山澤損】初爻は今年、映画への出演如何を質してみてもこれが示されている。


 更に今回の占示の具体的なところを質してみたら、38番【火澤暌】|:|:||五爻だった。
 爻辞「悔 亡ぶ。厥(ソノ)宗、膚(フ)を噬(カ)む。往きて何の咎あらん」で、やはりツテの仕事であることが判る。今後もこのツテが活きるだろう。それから、「悔 亡ぶ」で、やはり彼女自身、「水戸黄門」には機会があったら出たいみたいに思っていたかも知れない。示されたのは外卦【離】の中爻。「象 伝」には「〜往きて慶(ヨロコビ)有る也」と。
 【火澤暌】は爻が上に行くほどそれまで暌(ソム)いていた相手と合同する意味で、全く新しい人間関係や環境で仕事をするのでないことも分かる。
 彼我の関係を見ると、外卦【離】の“企画”に対して、内卦【兌】で“やらせて頂きまーす”と。あちらから見ると、綜卦 37【風火家人】||:|:|で、【離】の“美人”に対して声をかける。
 伏卦 10【天澤履】|||:||、言うまでもなく、仕事を履(フ)む。

 ここまでは読みの初歩だが、この五爻の「宗」は陽位に陰でいる。時代劇については、その力の弱さや位置の低さのために却って上手く行く筈だ。「水戸黄門」では、おもての看板は黄門さま御一行で、彼女は今週のゲストという二番手だが、内容的にはその回の一番手の筈であり、このポジション故に上手く収まる。仕事ウケも好い。
 「サラリーマン金太郎」でダメにしてしまった運も、こちらはまた別運。汚さずに大切になさることだ。



 ドラマ、拝見。
 やっぱり涙・涙の倫子だった。庶民の役は初めてか。
 しゃべりの演技はいつも通りやや過剰&空気違いだし(しかし、一所懸命なのだ)、口元の緊張が消えないが、solid な和風の顔に日本髪がよく似合う。地毛結い? おつりが来るほど時代劇の人になっている。自信をつけて演技に自然な重さが身に付いたら、もうすっかりこの世界の人。すっかりと言えば、すっかり母親役が板に付いてしまったのが複雑だが(笑)。ともかく、変なシーンがなくて、安心して観られて好かった。
 OPでは「お松 青山 倫子」と一人書きになっている。ガンバレ!

 里見 浩太朗 氏の黄門さんは、即ち、 63【水火旣濟】で、形式主義に堕ちているね。ドラマの見せ方は昔と随分 変わったが、黄門さまは何だか出来合いの演技。メリハリの薄い、好々爺になってしまった。こちらは“水戸黄門”と言えば東野 英治郎さん。「助さん、角さん、少し懲らしめてやりなさい」の台詞よろしく、明治の人の土性骨のある気性とあの呵々大笑が好かった。
 それと、新吉が袖にされたおっかさん[井上さん]の下から帰る途中、転んで、膝の擦り傷にツバをつけながら涙を流す、あの切なさのテクは上手い。

 それにしても、井上さんの公式サイトにはこの告知さえない・・・。



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